2005.01.20 Thursday 00:30
『ストーリー』(戸田誠二)

広告のコピー作法を学ぶと必ず出てくるタームに「スライス・オブ・ライフ」というのがある。
戸田誠二の『ストーリー』を読んで、久々にその言葉を思い出した。
本作には5つの短編が収められており、そのどれもが「昨日までと明日からの転換点」を描いている。わかりやすく言い換えれば、“葛藤からの再生”というキーワードでまとめられるかもしれない。
もともと現実というものは、明るく楽しいことだけで構成されているものではない。誰でもいくらかの、あるいは大量の「がんばり」や「無理」や「あきらめ」と引き替えに、ごくささやかな幸福を手に入れている。本作に登場する主人公たちは、そんな“あなたやわたし”を多少デフォルメして読者の前に突き出す。まさに、「スライス・オブ・ライフ」として。
辛い、悲しい、しんどい。
がんばる、無理する、あきらめる。
ただ毎日を生きるという、それだけのために、彼らが支払う代価はあまりにも大きい。
ある日、一つの「事件」が起こる。その事件をきっかけに、いままでがんばったり無理したりあきらめて過ごしていた自分の人生に対する視点が転換し、肩の力を抜くことができたり、少しだけ笑顔になれたりする。
彼らは、昨日までとは少し違う明日を手に入れたのだ。
惜しむらくは、5つの作品のどれもが“ありがち”なパターンの物語になってしまっている点。
ただし、現実に満足することなく毎日を生きている人々には、ありがちなだけに届きやすい。
『ストーリー』戸田誠二/宙出版 [Amazon]
<戸田誠二 公式サイト>
コンプレックス・プール
もともと現実というものは、明るく楽しいことだけで構成されているものではない。誰でもいくらかの、あるいは大量の「がんばり」や「無理」や「あきらめ」と引き替えに、ごくささやかな幸福を手に入れている。本作に登場する主人公たちは、そんな“あなたやわたし”を多少デフォルメして読者の前に突き出す。まさに、「スライス・オブ・ライフ」として。
辛い、悲しい、しんどい。
がんばる、無理する、あきらめる。
ただ毎日を生きるという、それだけのために、彼らが支払う代価はあまりにも大きい。
ある日、一つの「事件」が起こる。その事件をきっかけに、いままでがんばったり無理したりあきらめて過ごしていた自分の人生に対する視点が転換し、肩の力を抜くことができたり、少しだけ笑顔になれたりする。
彼らは、昨日までとは少し違う明日を手に入れたのだ。
惜しむらくは、5つの作品のどれもが“ありがち”なパターンの物語になってしまっている点。
ただし、現実に満足することなく毎日を生きている人々には、ありがちなだけに届きやすい。
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